eSIMコラム

iPhone17のeSIM専用化で海外利用は不便になる?旅行者の通信環境はどう変わるのか

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専門家コラム iPhone17のeSIM専用化で海外利用は不便になる?旅行者の通信環境はどう変わるのか

2025年秋、AppleはiPhone17シリーズを発表し、日本国内モデルはすべてeSIM専用化しました。これまでの物理SIMスロットは姿を消し、通信環境は完全にeSIMへ移行します。
iPhone17シリーズのeSIM対応状況は国別で異なります

「海外で現地の物理SIMカードを入れられないのは不便では?」「通信環境は本当に安定して使えるのか?」――こうした声は当然です。

一方で、eSIM化はプラスチック製SIMカードの廃止につながり、廃棄物削減や物流コスト削減といった環境問題の解決にも貢献します。

本稿では海外通信の専門家の立場から、eSIMの課題とその解決策、さらに海外利用における新しい可能性と環境面での意義について解説します。

 

監修者
Koki Abe
Koki Abe
朝日新聞社推薦
海外渡航先のネット環境向上に貢献する通信の専門家
バックパッカーとして20カ国以上を旅し通信の重要性を実感。通信業界で8年以上の経験を持ち、D-POPSグループでの勤務を経て独立。現在はBeaconLink合同会社を設立し、海外旅行者向けのeSIMやVPNサービスを企画・運営。累計13,000件超のeSIM提供実績を持ち、旅行者・ビジネス渡航者の通信環境を支えている。

海外で物理SIMの方が便利?eSIMが不便とされる3つの理由

eSIMは不便で、海外旅行には「物理SIMカードの方が安くて便利」という根強い声が一定数はあります。その大きな理由を3つ順番にひも解いてみましょう。

eSIMが不便な理由

1.  5Gが使えないケース

2.  音声通話・SMSに未対応のeSIMが多い

3.  価格が現地SIMより高い

 

1.  5Gが使えないケース

旅行者向けに提供されるeSIMの多くは、データローミングを利用するため、現状では4G/LTEに制限される場合があります。せっかく5G対応のiPhoneを持っていても「海外では4Gしか使えないの?」と不安に感じる方も多いでしょう。

これは、eSIM事業者が現地キャリアのネットワークを借りてサービスを提供する仕組みのためです。どの回線を利用できるかは、eSIM事業者と現地キャリアとの契約条件や、その国の通信インフラの整備状況に依存します。

ただし、iPhoneシリーズが世界的にeSIM専用化する流れを受けて、各国キャリアも旅行者向けのローミング回線で5Gを開放せざるを得ません。今後は、より多くの国でeSIMによる5G通信が利用可能になっていくでしょう。

 

2.  音声通話・SMSに未対応のeSIMが多い

旅行者向けのeSIMは、データ通信専用プランが中心で、音声通話やSMSができないものがほとんどです。地域によっては、長期滞在者向けに電話番号付きのeSIMプランも提供されていますが、短期旅行者向けではまだ選択肢が限られています。

実際に、東南アジアの配車アプリ(UberやGrabなど)ではSMS認証が必須となるケースがあり、現地番号がないと新規登録できない場面も存在します。この課題は、旅行者にとって「想定外の不便」となりやすい部分です。

ただし、こうしたアプリのSMS認証に関しても、事前に日本の番号で登録を済ませておくなどの準備をしておけば解決できるケースが多くあります。この点については、次の解決策の章でさらに詳しく説明します。

 

3.  価格が現地SIMより高い

旅行者向けのeSIMは、利便性の分だけローカルSIMカードより割高になるケースが多いです。

空港で販売されているSIMカードは利便性が高い分価格も高めですが、街中の販売店では同じ容量でも安く購入できる場合があります。この点では「街中SIMの方が安い」という意見はその通りです。

また、日本国内でもAmazonやYahoo!ショッピングといったECサイトで事前に現地SIMを購入すれば、価格を抑えられることがあります。

一方で、eSIMは物理カードの入れ替えが不要で、到着直後から使える利便性が強みです。旅行者にとっては「数百円の節約」と「到着してすぐ使える安心感」のどちらを重視するか、天秤にかけることになります。

さらに、iPhone17のeSIM専用化をきっかけに、世界的に旅行者向けeSIM市場は競争が加速する見込みです。今後は価格差が縮まり、「安さはローカルSIM、便利さはeSIM」という構図も次第に変わっていくでしょう。

 

専門家が提案するeSIMを便利に使う方法

eSIMには課題もありますが、利便性を考えれば、むしろ海外での利用には最適なテクノロジーといえます。

この章では、前半で槍玉にあがった海外利用でのeSIMの課題と問題解決への提起、そしてeSIMがそれでも便利といわれる理由とその方法論を考えていくことにします。

eSIMがそれでも便利な理由

1.  5G問題とマルチネットワーク対応のeSIM

2.  データ専用回線のeSIMとSMS問題

3.  価格問題への見方

 

1. 5G問題とマルチネットワーク対応のeSIM

海外利用で「5Gが使えるのか」は気になる点ですが、実際にはWeb閲覧や乗り換え案内、動画視聴といった主要な利用シーンでは、4G/LTEでも十分に快適に利用できます。短期旅行者にとって「5G必須」と言える場面はまだ多くありません。

それより重要なのは、どこでも安定して通信できるかどうかです。

ローカルSIMはその事業者のネットワークしか利用できませんが、多くの旅行者向けeSIMサービスは「マルチネットワーク(複数の現地通信プロバイダ)」に対応しています。

マルチネットワーク対応のeSIMなら複数のキャリア回線を自動で切り替えて利用できます。例えば、A社の電波が弱ければB社に自動的に接続する、といった冗長性が確保されます。

つまり「5Gが使えるかどうか」以上に、ネットワーク障害や電波の弱いエリアでバックアップ回線を持てる安心感こそ、マルチネットワーク対応eSIMの最大の強みと言えるでしょう。

 

2. データ専用回線のeSIMとSMS問題

確かに一部のタクシー配車アプリではSMSが必須だったり、現地の電話番号がお店の予約に必要だったりします。

しかし、UberやGrabなどのアプリは渡航前に日本の番号で認証を済ませておくことで解決できますし、デュアルeSIMを活用し、「データ通信は旅行者向けeSIM」「番号取得は現地キャリアeSIM」と使い分ければeSIM専用のiPhoneでも困ることはありません。

海外旅行で現地の電話番号が必要なケースはさほど多くはないため、完全な不便ではなく、日本での準備と現地での選択で解決できる課題だといえます。

 

3. 価格問題への見方

旅行者向けeSIMは、ローカルSIMより高くなる傾向がありますが、利便性と安心感を考慮するとeSIMの価値は大きいです。

eSIMの代表的な利便性を3つ挙げてみましょう。

eSIMの利便性

  • 到着前に設定可能で、空港に着いてすぐ使える
  • 言語の壁やショップ探しの手間を回避できる
  • 紛失・盗難のリスクがない

上記3点がeSIMの利便性ではありますが、長期滞在や頻繁な海外旅行なら価格差の累積は無視できない金額になる場合もあります。

海外への短期渡航者にとって、価格を重視するか利便性を重視するかは個人の価値観によるでしょう。

ただし、今後はeSIMプロバイダの市場競争がさらに進めば、価格差も縮小していくことが期待できます。

 

今後の展望

GSMA(国際的な通信業界団体)は2010年頃からeSIMの普及を推進してきました。2025年7月時点で、世界の通信事業者の約69%(531社/206カ国)がすでにeSIMを導入済みです。
※ 引用元:https://techround.co.uk/tech/the-rise-esim-what-privacy-concerns/

iPhone17のeSIM専用化は、この流れをさらに加速させる象徴的な出来事です。プラスチック製のSIMカードを不要にすることで環境負荷を減らせる点も注目されています。

数年以内には、多くの人が「海外旅行ではeSIMを使う」という時代が訪れるでしょう。iPhone17によって不便になるどころか、世界的にeSIMの利用が標準化していく転換点となるのです。

 

iPhone17シリーズの国別eSIM対応状況

日本以外では、物理SIMが使えるiPhone17を販売する国もあります。最新のiPhone17シリーズの販売国別のeSIM対応状況を確認しましょう。

ここまでの解説をご覧いただいて、eSIM専用ではなく物理SIMが使えるiPhone17が欲しい場合は、技適マークがついているかに注意して海外版のiPhone17の購入を検討してみてください。
※技適マーク(技術基準適合証明マーク)とは、日本の電波法で定められた技術基準に適合した無線通信機器であることを証明するマーク

 

eSIM専用モデル(物理SIM非対応)

以下の国・地域で販売される iPhone17 / iPhone17 Pro / iPhone17 Pro Max は、eSIM専用モデルです。

iPhone17eSIM専用の販売国

  • アメリカ
  • カナダ
  • 日本
  • メキシコ
  • サウジアラビア、UAE、カタール、クウェート、バーレーン、オマーン
  • グアム、米領ヴァージン諸島

情報引用元:https://www.apple.com/jp/iphone/cellular/

 

eSIM+物理SIM併用モデル

以下の地域では、nano-SIMスロットがあるため、物理SIMカードとeSIMを併用可能です。

iPhone17物理SIM対応の販売国

  • ヨーロッパ諸国(フランス、ドイツ、イギリスなど)
  • オーストラリア、ニュージーランド
  • 韓国、シンガポール、香港、台湾 など

情報引用元:https://www.apple.com/jp/iphone/cellular/

 

SIMカードのみ対応:中国本土モデル

中国本土モデルは例外で、eSIMは非対応です。nano-SIMのみ利用可能です。

 

iPhone17 Air(特殊モデル)

新登場のiPhone17 Air は、世界共通でeSIM専用です。中国本土を含むすべての地域でeSIMのみの対応となります。

 

結論 | eSIMは不便ではなく、海外旅行の新しいスタンダード

日本ではiPhone17国内モデルのeSIM専用化によって、「海外利用は不便になるのでは?」という声が出ています。確かに、5G非対応のケースやSMS認証の制約、価格の差といった課題は存在します。

しかし、それらは準備や運用の工夫で解決できるものが多いです。さらにeSIMには、マルチネットワーク対応による安定性や、SIMカード紛失リスクの軽減、渡航前に開通できる利便性といった明確なメリットがあります。

結論として、eSIMは物理SIMよりも不便ではなく、むしろ安全で利便性の高い選択肢です。iPhone17の専用化は、不安を増やす出来事ではなく、eSIM利用を加速させる契機となるでしょう。

 

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