「通信速度は出ているのに、なぜかもっさりする」
「ブラウザ表示がワンテンポ遅い」
「Zoomで微妙にラグがある」
海外でスマホを使っていて、上記のように感じたことはありませんか?
その原因のひとつが Ping値(レイテンシ)の高さ です。
Ping値とは、スマホからサーバーへデータを送り、その応答が返ってくるまでの時間のことを指します。単位は ms(ミリ秒)。

(ooklaの速度測定アプリでローミング型の海外eSIMを測定)
この数値が低いほど、体感速度は快適になります。目安としては下記を参考にしてみてください。
Ping値の目安
- 20ms以下:非常に優秀(オンラインゲーム、株のデイトレ)
- 20〜50ms:快適(Zoom/Meetなどのビデオ会議)
- 50〜100ms:普通(SNS投稿、動画視聴)
- 100ms以上:用途によっては遅さを感じる(Web閲覧、地図確認)
特に処理落ちが命取りになるビデオ会議やオンラインゲームでは、ダウンロード速度よりもPing値が重要になります。
ではなぜ海外ではPing値が上がるのでしょうか。海外でPing値があがる原因を本記事で解説していきます。
Contents
海外ローミングでPing値が跳ね上がる原因

海外ローミングでPing値が跳ね上がる理由はシンプルに、通信の出口(IPアドレス)が滞在国にないからです。
多くの海外eSIMや携帯キャリアの国際ローミングサービスは、「データローミング」をオンにして利用します。
ローミングの仕組みでは、滞在国→ 現地基地局→ 通信契約元の国のデータセンター(APN)→ インターネットという経路をたどります。
つまり、イタリアで使っているのに「最終的にアジア諸国の基地局を経由している」という状態が起きるのです。
| 測定回数 | 下り (Mbps) | Ping (ms) | Jitter (ms) |
| 1回目 | 1.71 | 482 | 77 |
| 2回目 | 8.37 | 466 | 89 |
| 3回目 | 9.94 | 485 | 96 |
※ 2025年12月測定
上記は、eSIMポータル編集部がカナダで某海外eSIMサービスを測定した結果ですが、 Pingが400msを超えており大きく上がっていることがわかります。
IPアドレスをNordVPNのIPアドレスチェックサイトで確認したところ、カナダ滞在時はヨーロッパのIPアドレスが出口になっていました。
このローミングの仕組みによる“遠回り”がPing値を高い数値に押し上げます。
クラウドSIMのPing値は不安定になりやすい
また、クラウドSIM(モバイルWi-Fiルーター等)の場合も、サーバーを介して最適なSIMを割り当てる仕組み上、同様にデータセンターを経由するためPing値が上がりやすいです。
ただ、クラウドSIMの場合は基地局から近い、当たりのデーターセンターを引くとPing値が下がります。逆に基地局から遠いデータセンターだとPingは恐ろしく上がるので、データセンターガチャみたいなところがあります。
ヨーロッパでahamoを利用するとPing値は高くなる

画像引用:ahamo公式
ヨーロッパで日本の格安SIM「ahamo」を利用して、ローミング方式がHome Routed※型の場合、通信は契約元キャリア(NTTドコモ)のコアネットワークを経由するため、物理距離に応じた遅延が発生します。
Home Routedとは
「Home Routed」は、海外にいるときにインターネットや通話のデータが、利用者の契約している通信キャリアの国のインフラまで一度戻ってから通信する仕組み
情報引用:https://www.gsma.com/newsroom/wp-content/uploads//IR.65-v34.0-4.pdf
例えば、フランスで使っているのに「最終的に日本を経由している」という状態が起きるのです。
その結果、Ping値が200〜400msになってしまうケースもあり、通信速度(下り速度)が速くても、ウェブブラウザの閲覧は体感的にワンテンポ遅れる原因になります。
この「日本を経由するかどうか」の差が、物理的な距離による遅延(光の速さでも数千キロの往復には時間がかかる)を生んでいます。
Ping値を抑えるなら現地の通信キャリアのSIMカードやeSIMを使う
一方、現地の通信キャリアが直接発行するSIM(eSIM含む)はローミングなしで使えます。
ローカルブレイクアウト(LBO)※と呼ばれ、現地の通信キャリアの回線網で出口設定されるため、Ping値は低くなります。
LBOとは
LBO(Local Break Out)とは、ローミング中でも通信をホーム網に戻さず、接続先(ビジター網)でそのままインターネットへ抜けさせる方式のこと。
ただし、現地キャリアの携帯ショップから購入する必要があり、本人確認書類などの提示や長期間の契約が前提になる場合もあるので入手の難易度はやや高くなりがちです。
海外旅行者にとってPing値が高いのは致命的な問題ではない
重要なのは、海外旅行者にとって「Ping値が高い」のは致命的な問題ではないという点です。
海外での主な用途は、Web閲覧・Googleマップ・SNS・動画視聴などで、この程度であれば、Pingが多少高くても大きな支障はでません。
長期の海外滞在で「どうしてもオンラインゲームをやりたい」「リモートデスクトップ」をするという人は、現地の安定したWiFiが使える建物を拠点にしたほうが良いでしょう。
海外通信でPingよりも優先したいのはカバレッジエリア
むしろ重要なのは、海外の見知らぬ土地を移動するのに「インターネットが確実につながること」「 圏外にならないこと」です。
現地直結の通信キャリアはインフラ障害が起きると代替ネットワークがすぐに用意できないため、インターネット接続が困難になります。
例えばairaloやHolaflyなどが代表的なマルチネットワーク対応eSIMです。なお、当サイト運営のJapanConnect eSIMも同様の仕組みとなります。
渡航国の複数キャリアのネットワークと提携している大きなメリットは、一番繋がりやすい通信を掴んでインターネットが利用できる点です。
カバレッジエリアの広さ(圏外になりにくい)ことを優先するなら、Ping値が多少上がっても、マルチネットワーク対応のグローバルeSIMを通信手段とする方が安心でしょう。
まとめ
結論、海外向けの通信サービスは、その仕様上ローミングを使うことが多いです。
そのため、渡航国の通信基地局からインターネットの出口設定のインフラまでの長いルーティングによってPing値(遅延値)が大幅に上がることは普通といえます。
海外では、Ping値の高さを気にする必要はありませんが、どうしてもインターネット速度が遅い場合は、携帯電話の再起動やAPN設定の見直しをすることで解決できる場合があります。
また、「海外でインターネットが繋がらない」「電波が弱い」などのお困りごとは、下記の記事もぜひご参考にしてください。
これ以外にも海外旅行に役立つ通信サービスの記事を沢山書いています。
こちらもCHECK
-
-
eSIMが繋がらない!海外旅行でインターネットが使えないときの対処法7選!
海外旅行でせっかく便利なeSIMを購入したのに、「いざ、海外に到着したらインターネットが使えない!」という事態は、メールやLINE、Google検索もできず本当に困ってしまいます。 この記事では、海外 ...
続きを見る
こちらもCHECK
-
-
海外用eSIMの電波が悪い?電波がEになる原因と対処法をわかりやすく解説
海外旅行中に「eSIMの電波が悪い」「急に画面がEマークになって繋がらない」と困っていませんか? 実は、海外でeSIMの電波が悪くなるのには、設定ミスから現地のインフラ事情まで明確な原因があります。 ...
続きを見る